TATEISI PRIZE TATEISI SCIENCE AND TECHNOLOGY FOUNDATION

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合原 一幸

第7回(2022年度)特別賞

合原 一幸

東京大学
特別教授・名誉教授

授賞表題
数理情報工学に基づく複雑系数理モデル学の構築とその応用に関する研究

● 受賞者の業績

21世紀の重要研究課題は、脳、生命、免疫などの生体機能、がん、新興・再興感染症などの医学・疫学、エネルギー・電力、通信、交通などの社会経済システム、環境、地震などの安全・安心確保など多岐にわたるが、いずれも多面的アプローチを必要とする広義の複雑系の問題として捉えることができる。受賞者は、数理情報工学をベースとして、複雑系のダイナミクス、ネットワーク構造、観測ビッグデータを、制御、最適化、予測へと結びつける数理的基礎理論を開発して複雑系数理モデル学を構築した。そして、それらの数理的手法を実世界の複雑系へ分野横断的に応用する研究を産学連携で広く展開し、実際の様々な社会課題を解決するための複雑系科学技術の数理情報工学的基盤を開拓した。さらに、企業との社会連携研究部門設置や共同研究等などを精力的に進め、最近では、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST) ムーンショット型研究開発事業の「複雑臓器制御系の数理的包括理解と超早期精密医療への挑戦」プロジェクトマネージャーや東京大学国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構・副機構長として、基礎医学や基礎脳科学の実験・臨床研究を(1)精神疾患・神経疾患、糖尿病やがんを初めとした様々な疾患の超早期精密医療や (2)次世代AI技術の基礎理論とハードウエア実装技術へと、数理情報工学に立脚して橋渡しする研究の中心的役割を果たしている。その研究成果は、人間と機械が真に調和する最適な社会環境の実現に向けて、今後も大きく貢献することが期待される。また、受賞者はこれまでに、原著論文(国際誌)595報、原著論文(国内誌)66報、国際会議1,042報、招待講演335件、編著書110件など世界トップレベルの学術上の功績を上げ続けている。

● 記念講演概要

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